【短編集】君に届いてほしいから─春─




「もー……」


「山瀬はいつも藤崎のお守り大変そうだなあ!!」


先生は嘘みたいな豪快な笑いをしながら私の肩をバシバシと叩いてくる。


「ちげーよ先生!俺がいつも結芽の世話してんの!」


翔ちゃんは私の肩から先生の手をパッと払うと胸を張った。


ほんとにもー…。


「翔太、それはねーわ!」
「山瀬さん何だと思ってんだよ」


そうそう。
皆さん よくわかってる。