セツナにイキル

立ちあがって
足で腹を踏みつける
ガシガシ踏みつける
思いきり踏みつける

どのくらい
そうやって時間を
過ごしたんだろう

気づいたら
男は死んでいた

思った以上に
簡単に死んだ

その時は
こんなに簡単に
死ぬなんて

なんて
意気地のない奴だ

どうせ女を
十四歳の少女を
襲おうとする奴だ
意気地が
あるわけない

そう思った

でも
この時ほど
執拗に
殺したことはない

この時ほど
物足りない気分な
こともない

殺人の快感を
知った夜だ

花火はまだ
続いていた

これがアタシの
はじめての
殺人の顛末だ