──会いたいような、会いたくないような、曖昧な期待は叶ったようで。

巡ってきた木曜日、またひとりきりな図書室。


てゆーか絶対、もう1人の図書委員、やる気ないだろ。


「はろー」


……あ。

いた。

相変わらず寝転がっている。


そろりと一定距離を取るように離れると、

「そんなに警戒しなくても」

って、前科のあるそっちが悪い。


そんなことより。


「あの、こないだ、本……片付けてくれたの、ありがと」


小さくお礼を口にする。

と、一瞬驚いたように目を見開いて、それから優しくふにゃりと笑った。