どうにか落ち着きたくて、ひとりきりになりたくて。

半ば無意識に、向かったのは図書室。


がらんとしたそこは幸い誰もいなくて、本棚の影の隅っこにしゃがみこんだ。

両手で顔を隠して、自己嫌悪に身を沈める。


私……、嫉妬、してた?


その感情が示す意味を認めたくなくて、目をそむけたくなる。

だけど同時に、自分の気持ちの答え合わせをしたような、そんな感覚。


「みーつけた」

「う、うわっ」


ちょうどたった今考えていた相手に、不意討ちで声を掛けられて、奇声とともに後ずさる。


「な、何ですか」

「酷いよー。せっかくようやく会えたと思えば逃げるなんて」


話しながら、じりじり距離を詰められて、そろそろと足を引いたけど、背後はもう本棚。