「びっくりしたのはこっちだよ。」


「何?」


「何でもない。トイレ。」


「は~。おはようもないのー」


修は何故かほっとしていた。


そして、嬉しいと感じてる自分が不思議で仕方なかった。


「おはよう」

「おはよう。ちょっと待って。」


咲はすれ違おうとした、修の手を掴んだ。


「挨拶は顔を見てするのー」


すっぴんの咲は昨日と違い、可愛らしくなっていた。


透き通るような白い肌がより愛らしく見えた。


バスタオルから出ている手足はすらりとのびている。


「おはよう。」

修は手のひらを咲の頬に優しく包むようにして触りながら、
目を見て囁くように挨拶をする。


近くで見る、咲の目は大きくて長い睫毛がより魅力的に見えた。


「ちょ、ちょっと。恥ずかしいじゃない。」


赤くなる咲に修はいたずらをしたくなり、
耳元に囁く。


「何が?顔を見て挨拶してるよ。」