奏でる♬


「何もなかった・・・よ」

そう言うとあたしの肩から
ゆっくりと手を離した。

「そっか」


真理奈がいきなり真剣な顔になった。



「あたし思ったんだ。

 別に無理に告おうとしなくても
 いいと思う。

 変な意味とかじゃなくて
 
 春は春だけにできる方法が
 あると思うよ。
 
 言葉だけが伝える手段じゃない
 でしょ?」



あたしだけにできる方法・・・?


あぁ

そうか。


あたしだけにできる方法。
見つかった気がする。


「真理奈



 ありがとう!!!」