やめてやめてやめて。 「だからっ…もう帰るねっ。」 私はすぐにその場を立ってかばんを持って出て行った。 忘れたのに。 忘れるって決めたのに。 あんな話ききたくなかったよ。 どうしてあの席に座ったのかな。 私は家まで歩くことなくだた、走った。 ---------------あのときのように。 「あっ。ちょ、ねえ、あなた受験生ですよ!」 「…………」 今はどんな言葉も耳に入らない。 引き取られてから私は敬語しか使わない。 向こうも一緒だからそれでいい。