だけどやっぱり、私は思い出してしまった。




『何でや!お前何でなんや』


『クラスメートやろが!見捨てるんか』





一瞬だけ、アイツの顔が頭に浮かんだ。





「あの、詰まってるけど」





後ろから聞こえたその声に振り向くと、
やっと自分が教室のドアで道を塞いでる事に気付いた。






「ご、ごめん!」


「いいけどさ」



彼女は明るく笑って、目の前を通りすぎた。






うちは、本間に馬鹿や。
アイツに似てるやなんて、考えとる。

アホ過ぎて、笑えるわ…






トボトボと、自分の席に歩いた。