Tears Rain

そしてあたしはドアを開ける。
「すいません！」
その瞬間、あたしにクラス全員の視線が向けられた。
「高野さん！２日目で遅刻とかなかなかやるわね。早く席に着きなさい」
「あはは…」
あたしは苦笑いをするしかなかった。
あたしが席に着くとあゆみがあたしに声をかける。
「麻世！心配したよ！どうしたの？」
「あー、あたし朝弱くてさ」
そんなことを話しているとあたしは視線を感じた。
視線の先に目を向けると丸杉梁と目が合った。
それと同時にあたしの胸が激しく鳴りだす。
恋すると目が合うだけでドキドキするんだね…
初めての感覚。
きっと丸杉梁限定だね。
他の人だったらこんな風にならないよ。
あたしはあなたに惚れてます。
彼と目を合わせたこの時間はとても幸せだった。
あたしは嬉しさの余り顔を背けてしまった。
「麻世！聞いてるー？」
「ん？」
あたしはあゆみの声で我に返った。
「クラス員決めるって。なりたくないよね…」
「当たり前ぢゃん」
「やっぱり？だよね！」
「誰かやんなよー」