あなたに会ったのはいつだろう…
あたしがあなたに会ったのは赤い糸で繋がってたからかな?
そうであってほしいな。
あたしはあなたのことが大好きでした。
春になり、あたしは晴れの高校生になった。

ずっと着たかった制服を身に付け、不安と希望の入り混じった感情を胸にあたし、高野麻世<こうの まよ>高校に目を向けた。
真っ黒な長い髪を風になびかせ、校門に足を踏み入れた。
これからの生活に期待を持って…

「あなたたちはこっちよ」
あたしは言われるままに知らない先生について行く。
ふと顔を上げて周りを見渡すと、ある少年に目を奪われた。
この少年と恋に墜ちるなんて思いもしなかった。
丸杉梁<まるすぎ りょう>。
少しのばされた黒い髪、少し焼けた肌、切れ長の透き通った瞳。
あたしは彼から目が離せなかった。
あたしは彼に惹かれていた。
もう完全に一目惚れ。
そうすると、誰かに呼ばれた。
「麻世ー！ここにいたんだ！！探したんだよ」
この子は小さい頃からの友達。高中悠里<たかなか ゆうり>。
「ごめんごめん」
一目惚れしたなんて言えないから、とりあえず謝っといた。
「ねぇねぇ、めっちゃイケメンな人いたよ！超ヤバい」
「えー！？まぢで？ずるい悠里。どこだしー」