タッタッタッタッタッタ

あたしとコリスくんの

足音が廊下に響き渡る。



「・・・。」


無言のまま理科準備室に行き

棚においてある

ルーペをとろうとする。





コリスくん・・・。

でも届かないみたい。

あたしでも届かないしね。

だから、あたしは脚立を

持って来て自分でルーペをとった。



会話をしていないと・・・

悲しくなるのは、何で?

あたしの瞳に水が溜まってきた・・・。

このままじゃこの水滴が

零れる。って思って

とっさき口を開いた。

「コッコリスくん!」
「ん?」
「あ・・・えと・・・。」


言葉に詰まった。

話したいこと聞きたいことがあったが

それ以前に・・・君の声が聞きたかったから

頭が真っ白になっちゃった。

「何?」

君の・・・愛のない言葉に

崩れ落ちそうになる。



ポタッ

崩れ落ちる前に・・・水滴が零れた。

「!?」

それを見て・・・驚く君。

気づいてよ?