あたしはコリスくんが

流している涙を

黙ってみていることしか出来ない・・・。

何で泣いているのかも分からないから。

言いようがない。



それに!今は起こすことが優先・・・。

起こしたら・・・聞こうかな?


「コリスくん!!!」
「んっ!?・・・ファァァ」

コリスくんはビックリした様子で

起きて大きなアクビをした。

そして・・・さっき流していた

涙にコリスくんが自分自身で

気づいて、服の裾で拭った。

「あ・・・。さっきの涙・・・見た?」


あたしはバッチリ見ていたから

嘘ついても逃げれない・・・。

だから小さくためらいながら

うなずいた。

するとコリスくんはゆっくり口を動かした。

「今の涙はね・・・。彼女に酷いふられ方されたからなんだ・・・。」

それを聞いた瞬間あたしの

顔が曇った。

「浮気されててね。それを半年過ぎたころに
 知ってね・・・。彼女を攻めたんだ。
 そしたら・・・。あんたの方が浮気相手なの。
 あんたにマヂで愛したことなんて1度もないからって」

・・・。今ものすごく暗い

空気に包まれている・・・。

涙の理由が分かった・・・。

辛かったんだね・・・。

ギュッ

過去を思い出して泣きじゃくっている

コリスくんを・・・

あたしは抱きしめることしか出来なかった。