私と縁は同時に家を出た。



私の家は縁の家の向かい側。



たった数十メートルなのに縁は律義に送ってくれて、私はそこから縁を見送る。



「いってらっしゃい。」



「おう。」



それが私と縁が交わした最後の言葉。



その時から私はもう二度と縁に会う事はなかった。