「初音、オレあの坂の上の高校に行こうと思ってるんだ。」



今通っている高校に志望校を定めたのは中三の夏。



クーラーがきいた縁の部屋で唐突に決まった。



偏差値が高く、超がつくほどの進学校。



縁は勉強は得意だったけど、好きでもなかったのになんでか不思議だった。