あぁ、と男子生徒がつぶやいた。 「もう間に合わないな。」 「そうだよね。」 二年生になった初日から遅刻なんてありえない。 でも、この際だからもうゆっくりでいいや。 途中から式にでるの恥ずかしいし。 でも… 「あなたは良いわけ?なんか、最初から焦ってるようには見えないんだけど。」 聞くと男子生徒は笑った。 「おれは転校初日だから始業式には出ないんだ。」 どうりでゆっくりなわけだ。 たしかに見覚えのない顔。