「あぶねぇよ。」



腕を強く引かれて、私と地面の距離はそれ以上近づくことはなかった。



「こんな所でこけんなよな。」



そこから体勢を整えて、私は改めて助けてくれた人物に目をやった。



清潔感のある短髪。体育会系みたいながっしりとした体つき。整った感じの顔。



モテそう。



「どうも、ありがとう。」



「せっかく綺麗な顔してんのに、怪我したらもったいないだろ。」



ちょっと拍子抜け。



思ったよりもチャラい?それとも天然?



「あっ。やばい、始業式!」



時計を見て、思わず頭を抱えてしまった。