憐は擽ったさと冷たさに耐えながら声を震わせて答える。 「魑は…好きだけど……きゃっ!?」 憐の言葉が終わらないうちに優夜が憐を押し倒す。 瞬時に懐から銃を取りだし憐の額に銃口を突きつける。 「ゆうや…」 「………で…」 「え…?」 微かな優夜の言葉に憐は耳を傾ける。 ぱたぱたと動かしながら優夜の言葉を待つ。 「なんで、あの時に……サヨナラを言えなかったんだろ…」 優夜は力なく憐に覆い被さる。 優夜の左胸に憐の顔が埋もれる。 憐は優夜の心臓の音を耳にする。