憐の顔を見た優夜がクスクス…と小さく笑う。
ムッとした憐は刹那同様に優夜がかけているメガネを取り上げる。
優夜は何の問題もなさそうに読み進める。
「見えるの?」
「そこまで視力が悪いわけじゃないよ」
優夜が憐の座り場所を少しずらす。
先ほどとは違い、憐も本が読めるように座らせる。
「ふーん…じゃ、これ 何て書いてあるの?」
憐は左手に優夜のメガネを持ったまま右手の人差し指で本の一文を指差す。
「The transitory smile of yours is very beautiful.
【あなたのその儚い笑顔はとても美しい】だよ」
「これは?」
「We are charmed by you just because the smiling face is easily transitory.
【その笑顔は脆く儚いからこそ、私達はあなたに惹かれます】」

