「………っ、」 憐は手紙を大切そうに胸元で抱き締める。 くしゃり と皺のよる音がする。 憐のアクアマリンの瞳から真っ赤な雫が沢山溢れ落ちる。 止まることを知らないようにあふれる涙は憐の白い膝を赤く汚していく。 「……優夜ぁ、刹那ぁ」 谺と魑は何も言えなくなってしまった。 亡くしたものの大きさが大きすぎる憐の肩に触れることは出来なかった。 夜が明けても、憐は泣き止むことはなかった。