乾いた音を鳴らして紙を開く。


「…優夜? 刹那?」


手紙から香る愛しい香りが憐の瞳に光を差し込ませた。


―――――――


Dear Len
From Yuya


始めに 謝りたい。

ごめんね。

あの時 約束した、誓ったこと守れなくて…。
憐のことをこの手で殺せなかった。

憐には、ずっと 笑っていて欲しかった。

もし 俺が生きていたら 絶対 憐のこと忘れないよ?

でも 憐は俺のことを忘れて 幸せになってね?

双子と仲良くね?


それじゃ、

この世で一番儚く、愛しい お姫様へ。


忘れられる召使い