「5、」 弓をしならせる。 「4、」 矢が引かれる。 「3、」 狙いを定める。 「2、」 蜩は瞼を下ろす。 「1、」 矢を持つ手の力を弱める。 「0、 バイバイ…憐様」 ビュン! 矢が空気を切り裂きながら憐に飛んでいく。 「…?」 憐は尋常じゃない音を聞き、振り返ってしまった。 目の前に迫る矢。 「!?」 悲鳴も上げることも出来なかった憐は矢を見つめることしか出来ずにいた。 矢が憐の左目に届く、その瞬間。