憐は自分の涙を指ですくうと悲しげに微笑んだ。
「副作用…、体外に出る水分が血になっちゃうんだって…」
憐は困ったように笑うと、寂しそうな顔をしている二人の服を握り締めた。
震える小さな体は、人になる前と何一つ変わっていなかった。
「ずっと…一緒には居られない…、だから この瞬間-トキ-だけでも…人として一緒に居させて…?」
「……全く、憐はしょうがないお姫様だ…」
二人は潤んだ瞳で微笑むと憐の溢れそうな血の涙を拭ってあげる。
「僕の小さな願いは二人のお陰で叶ったんだよ?
次は、僕が二人の夢を叶える番…」

