IMITATION LOVELESS



「憐……耳…」

「あ…」


憐は胸元で手を握りソッポを向いてしまう。
刹那が憐の横髪を左右に割る。

そこには"人の耳"があった。


「憐…」


二人が憐を寂しげに見つめる。
憐は反らしていた視線を恐る恐る優夜に合わせる。


「本物の人に……なりたかったから…、二人と、同じになれるように…」


憐は"人じゃない自分が二人と違う"と囁く。
その為、二人と一緒になりたかったと涙を流す。

溢れた涙が憐のドレスに"紅い染"みを作った。


「憐…涙が…」

「紅い…」