二人は急いで憐に駆け寄り、彼女の体を起こす。
瞼を下ろし、苦しげに眉を潜めている憐の左目にかかっている前髪を横にずらした。
「…!?」
「……痣?」
二人はあまりの驚きに息を吸うことも忘れてしまう。
憐の左目の周りには痛々しい火傷のような痣が広がっていた。
「ん…」
「「憐!!」」
憐が重たげに瞼を開く。
いつものアクアマリンの瞳が二人の召使いを映した。
「優夜…、刹那…」
「よかった…、憐……?」
優夜はいつものように憐の頭を撫でるが、何か違和感を感じた。
いつもなら、撫でるさいに手に当たる獣耳。

