IMITATION LOVELESS



優夜と刹那は淹れ直した紅茶を運んでいる途中だった。

突然、背中に刺さるような悪寒を感じ振り返る。

しかし 後には誰も居なければ、何もなかった。


「…?」


苦しげに歪められた二人の頬に冷や汗が伝う。

嫌な予感を感じた二人は早歩きで憐の部屋に向かった。


憐の部屋の扉を叩くが、返事がない。
二人は慌てて扉を開いた。

瞳に映ったのはベッドに倒れている憐。

彼女の足元には瓶が転がり、飲みかけの液体が絨毯に染みを作っていた。


「「憐!?」」