IMITATION LOVELESS



ふと思い出したかのようにベッドの下に手を入れ、あるものを探した。
手にあたった固いもの。

取り出すとベッドサイドのライトにかざす。
青紫色の液体。
憐は瓶を大切そうに握り締める。
栓を抜いて香りを嗅ぐ。
薔薇の香りに近い液体が妖しく輝いている。

古びた紙の文字を読んだあと憐は瓶を持つ手の位置を変え、飲み口に唇を添える。

瓶が微かに傾いたとき、扉を叩く音がした。


「憐、ミルク淹れてきたよ?」


優夜の声。
憐は急いで瓶に栓をして再びベッドの下に隠した。

ベッドを降りて扉を開く。