IMITATION LOVELESS



憐が目を覚ますと、心配そうな刹那の顔が見えた。


「刹那…?」

「憐…大丈夫か?」


憐は弱々しく頷くと体を起こす。
そんな憐を刹那は力一杯抱き締めた。
憐の綺麗なドレスに皺がよる。


「刹那…? 苦しいよ…?」

「……」


憐は困ったように無言な刹那の首に腕を回す。

その時、腕から伝わる微かな震えが憐を驚かせた。

今にも千切れてしまいそうな憐の肉体-カラダ-を抱き締めて、刹那は虚ろな瞳で呟いた。


「ずっと、ずっと…時が止まればいいのに…」