―――…公園にて。




「なっ、何だよ……何が望みだ!」



あたしはブランコに座ってる湊谷に問いかけた。



「え?…いや別に望みとかじゃなくて、確かめたかっただけ。本当にあのメイドは会長だったんだなぁって。…何で会長があんなバイトしてんの?」




「それは―――…」



あたしは事情を説明した。



「ふ~ん。母親が病気でね……そりゃ大変だ」



「妹はまだ中一であたししかバイトでお金を稼げないんだ。だからあたしが頑張らないと生活が出来ない」



…って何であたしはこんな奴にこんな事話してんだ…。




「何でこんな二つも三つも離れた遠いとこでバイト?」




「…雇ってくれるとこがそこしかなかったんだ。どこも、“高校生以上”ってとこばっかで……。それに、通う距離は遠いが、今はあそこで良かったと思ってる。あんなバイトを学校近くでやってたらバレるのも時間の問題だ。月城高校の会長がメイドだなんて事がバレたりでもしたら…」




「………」




「………」