その時、向こう側の校舎の窓から湊谷がこっちを見てる事にあたしは気付かなかった。
「ひゃー、さすが紅!!すごすぎ!」
杏がマットとあたしを交互に見ながら拍手する。
「これくらい大したことないって」
「助かったよ、紅!!やっぱ紅は頼れるね!」
そう言ってあたしに抱きついた杏は、すぐにあたしから離れて、真希が持ってる華道用の花束の中から花を一本あたしに差し出してきた。
「助けてくれたお礼に!!」
あたしはそう言って微笑む杏とその後ろで杏と同様、微笑んでる真希を見た後、
「…ありがとな」
杏から花を一本受け取って杏と真希に微笑み返した。
その時、向こう側の校舎の窓から湊谷が少し驚いた表情でこっちを見てるのに気付いた。
…あいつ、何こっち見てあんな驚いた顔してんだ?
「あれ?あそこでこっち見てるのって陸くんじゃない?」
「そうですね」
杏が湊谷を指差して、真希も湊谷を見ながら言う。
「…あぁ」

