「勿論そんな事、学生だって承知しないでしょう」
 そしてディーラー、言葉を選ぶように四方を見回す。

「だからその学校を、別の次元に移動させる。…彼らが闘うべき相手は、その世界の獣」
 有り得ない台詞だった。別の次元とか、話の内容が見えない。流石にその台詞には、客達も眉唾ものだった。


「がははは、お主狂っているのか? 別の次元だと、馬鹿にするのもいい加減にしろ!」
 客の一人が捲くし立てる。


「この世界は幾多の次元の層により成り立っている。神の住む聖域や、悪魔の潜む禍々しい世界などだ。…あなたは輪廻の法則をご存知か? 宗教でいう、天国や地獄をご存知なのか?」
 ディーラーの言葉は、やけに冷静だ。見透かすような感情がそこにはある。