修羅の荒野〜バトルロワイアル

「…そうか、まだ授業中か」
 寝ぼけまなこを腕で擦るシュウ。教室前方にかけられた時計はまだ昼時を指してはいない。

「駄目ですよシュウさん。もう少しの我慢です」

 傍らの女生徒が投げ掛けた。

 亜麻色の髪の、小柄な女だった。その笑顔が和やかさを演出している。学園の制服が、その愛らしさを更に押し上げていた。

 彼女の名は白城マリア(しらきまりあ)。古から続く白城財閥の一人娘で、学園内には“マリアファン倶楽部”なるものさえ存在する生徒だった。