「真、こっちは済んだようだな」

「当然っす、葛城先輩は無敵です」

 体育館の脇から、二人の生徒が現れる。

 片方は肩まで伸びる金髪の生徒。チェックのシャツを着込み、詰め襟を肩も通さず羽織っている。

 もう一人はサラッとした短髪の生徒。まだ幼さの残るあどけない少年だ。一人だけ他とは違うグレーのブレザーを着込んでいた。

「よしおちゃん、もうこんな事しちゃ駄目だぜ」
 しゃがみ込み、嘲るように言い放つ金髪。

「す、すみません」
 倒れ込む生徒が声を震わせた。

「さてと、喧嘩も終わったし、昼飯といくか」
 両腕を広げ、天に向かって伸びをするリーゼント。