「くそっ、流石は狂犬だ」

 とある高校の体育館脇、詰め襟を羽織った生徒が倒れこんでいた。

 辺りにはその仲間と思しい数人の生徒達が倒れこんでいた。どうやら今現在、喧嘩の真っ最中らしい。


「無駄じゃ、ワシは最強の男じゃからな」
 そしてその手前では、同じ詰め襟を着込んだ大男が立ち構えている。

 筋骨隆々のガタイに、漆黒のリーゼント頭の男だ。喧嘩の真っ最中だというのに、ふてぶてしそうに煙草の煙を吐き出していた。