「たとえそれがあるとしよう。だがそれは死後の世界だろ。それでも言い張るなら、証拠を見せろ。まったく馬鹿馬鹿しくて話にならん!」
 それでも客は納得行かないようだ。

「…ならばあなたがその肌で、その世界を味わうがいい」
 ディーラーの、くぐもった声が響いた。

「グオッ!」
 同時に、さっきの客の、悲痛な叫びが響いた。…そして沈黙が包み込む。

「…今の声って、桜共会の、鈴木組長だよな?」

「いったい何をしたんだ?」
 ヒソヒソと囁かれる、困惑の声。

「彼には、異次元に移動してもらった」
 そしてディーラーの台詞と共に、モニターに電源が入った。