そばにいてくれたからⅢ




「進二さん!」



あたしが叫んだが進二さんには聞こえていない様子。



「あの人…、やっぱり桃のこと大好きなのね…」


「え?」



元奥さんは眉を下げ口角を歪めた。



「今でも思うの、そんなに桃のこと大好きだったらどうして引き取りたいって言わなかったのかって…」


「進二さん自分が引き取るって言わなかったんですか?」


「ええ」