「学校をサボったのなんて初めて…」
呟いた言葉は誰もいない公園に吸い込まれて、座っているブランコがキイっと鳴っただけだった。
三つ編みに結んでいた髪をほどいた。
こうして下を向けば泣いてる顔を見られなくすむ。

「碓井さんっ!!」

突然、名前を呼ばれてビクっっとなった。
誰の声かだなんてすぐわかる。
私に話しかけてくる男子は1人だから…
息が上がっているのが分かる。

「何、言われたの?」
「…」
「泣いてるの?」
「っ…」
「何、言われたかは聞いては来たんだけどね・・・」
「お願いだから、もう私に話しかけないで。関わらないで。」
「それはムリ。」
「なんでっ!?私で遊んで面白いっ?」
「遊んでなんかない。」
「じゃぁ、な…!!?」

「好きだから。」

息をするのも忘れた。
多分、世に言うキスをされたんだろうって言うのは察しがついた。