目を開ければやっぱり朝になっていた。
行きたくなくて、ベットからなかなか出てこない私を
お母さんが起こしに来て結局、私は制服を着て朝ごはんを食べている。

重い足を引きづって電車に乗って、学校の門をくぐる。
昨日までは誰も気づかず空気の様な扱いだったのに
教室に入るまでの廊下で人とすれ違うたびに視線を投げられ
コソコソと何かを言われ、教室に入れば女子達の視線が痛い。
これも全部、昨日の転校生のせい。
私は、空気の様な存在が良かったのに!!

案の定、私の席はクラスの目立つ子達が溜まっていた。
正確には私の隣の席を囲んでいたんだけど。
その邪魔にならないように自分の席に座って、
机の中に教科書やら何やらを詰め込んでいつもの様に本を開いた。
2、3行本を読んだところで肩を叩かれた。
顔を向ければ目立つ子達の痛い視線と笑顔の転校生。
「おはよ、碓井さん。」
「・・・おはよう。」
「ごめんね、騒がしいよね。」
「平気。気にしないで。」
構わないでくれとオーラを出して私はまた本に目を戻した。
隣では言いたい放題言われてるのが聞こえる。
『地味子なんてほっといて、礼音くんカラオケ行こうよ。』
『そうだよ、でもってプリも撮ろうよ。』
地味子だってなんだっていいから、私に関わらないで欲しい。
昨日のように誰にも干渉されないのがいいのに。
私の平和をお願いだから崩さないで。