祐都の腕がぴくりと動く。


「祐都。
あの人と幸せになってよ」


「瑠衣、おまえ――…」


「いいの。
あたしのことは。
パパにはうまく言っとくから」


「いや、そうじゃなくて」


「とにかく――…。
あたしは祐都が大好きでした。
以上!!」


そう叫ぶと、あたしはマフラーをはずして、チョコと共に祐都に渡し、駅に向かって走り出した。


「祐都。
バイバイっ」


でもその言葉は、祐都に届くことなく、雪の降る空に吸い込まれた。