「ダブルデート!!?」


私は、日が暮れようとする静かな帰り道で大声で叫んだ


「そっ!私と雄二くん、那美と卓斗で」


ニコニコしながら、私を見る水樹に


「でも...」


絶対、卓斗くんに迷惑だよ...


「お願い!私、雄二くんと仲良くなりたいの~。協力して!」


隣で手を合わせ私を見上げる水樹は必死


「卓斗は私が誘っとくから、那美は雄二くん誘っといて」


「あと、明日デート用の新しい服買いに行こ」


「んでんで、雄二くんとの話題が欲しいんだけど、なんかない?」


「ちなみに、卓斗は~」


なぜか、どんどん話が進み


「今週の日曜10時に、○×水族館ってことで!」


私の前から走り去ってしまった水樹の背中をただ呆然と見つめるしかなかった