「俺も、帰るわ」


卓斗と那美が出ていってから、不機嫌だった雄二君は、とうとう立ち上がってしまった


「じゃあ、水樹も帰る」


私は、雄二くんの腕に手を絡め、上目使いで見る


「勝手にすれば」


彼は、冷たい視線を私に向け、そう言い捨てた


あなたは今日、少しでも私を見てくれた?


うんん...きっと、那美しか見てなかったよね...


一人で部屋を出ていく雄二くんの背中を、私はただ見ていることしかできなかった