ゆっくり目を開けると、私の上で悲しそうに微笑む卓斗君がいた 「やっぱり、那美ちゃんはダメだわ」 私の腕を引いて、優しく私を起こす卓斗君は 「俺、好きな人いるんだよね」 すでに恋してしまっていた私の心を簡単に壊した 「絶対に報われないんだけどね」 そう、悲しそうな笑顔で言う卓斗君に胸が痛む 「だから、いっつも身代わり作って過ごしてた。んで、今回は那美ちゃんにしようと思った」 俯く私の頭に手を乗せ、優しくポンポンと撫でながら、彼はそう言った