夕方、なんとなく一人で帰りたくて、水樹の誘いを適当に誤魔化した


トコトコと一人歩く私


オレンジ色の空が私の心を寂しくさせる



「那美。」


そう後ろから話しかけられた


振り返らなくても、小さい時から知っている声


でもその声は、いつも聞く声より何倍も優しくて


「お前って、ほんとバカ」


後ろから抱きしめられたら、温かくて...


私はわからないけど泣いていた。