二つのマグカップ。


バルコニーと出窓は
何センチかの隙間しかない


“どっちがえぇ?”



私が苺ミルク好きなの知ってるくせに


上から目線で
うさん臭い笑顔を向けてくる


私が苦手な顔



「こっ……コーヒーっ」


ちょっとした反抗


ゆいとはクスクス笑いながら

私に茶色いマグカップを渡す



「………飲まへんの?」


コーヒー飲めないのもコイツは知ってるな…


「の…っ飲むっ」



苦っ