紀子は、パパの暴力をDVだとは思わなかった。

テレビで騒がれているような事だとは思えなかった。



紀子の身体もママと同じで、いつもアザやコブが絶えなかったが、
愛情をこんな歪んだ形でしか表現できないパパが可愛そうに思え、
小学生ながらに、救ってあげたいと思っていた。





そして、

いつか家族4人で笑える日がくると信じていた。



その為にも、

紀子はいい子でなければいけなかった。