「もしよかったら、今から、一緒にお店にこない?」

紀子が戸惑っていると

「実はね、今日、お休みの子がいて困ってたのよ、助けてもらえないかしら」

と紀子にお願いしてきた。


《別に断る理由も無いか…》


「何時までですか?」

取り合えず時間を聞いた。

「12時まで働いてくれたら、1万円渡すわ。洋服も心配しないで大丈夫だから」

《1万円かぁ…》


紀子の心が揺れた。


ウィークリーマンションは、都心に近かった事もあり、意外と高かった。

今の紀子には臨時収入はとても助かる話だ。



水商売は20歳の時に1度経験があったのでそれ程抵抗はなかった。

それに少し、こんな綺麗な人のいるお店がどんな所か興味があった。