荷物を全てクローゼットにしまい、ソファーに寝転んだ。

緊張がとれず、ソワソワしていたが、
くつろいでいる振りをした。

「ふぅ…」

「さてと、」

ついつい、声を出していた。


《寂しいの?》

《違うよ!》


紀子は起き上がり、カレーを温めようとタッパを出したが、

ご飯も飲み物も無いことに気付き、近くのコンビニまで買い出しに行く事にした。



コンビニは道路を挟んだ所にすぐあった。

ご飯が売ってなかったのでパンとビール3缶と水を買った。


いつもと違う食器で食べるカレーは

余り美味しく感じられなかった。


“一人乾杯”も慣れているのに

いつも以上に素っ気なかった。



同じカレーを食べてる亨が目に浮かんだ。

『美味しく食べれてるかなぁ…』

声が聞きたくなった。

自分から離れたのに可笑しな話だ。

どうせそろそろ電話がかかってくるだろうと思い携帯を置いた。