マンションは道路に面して立っていた。

ポストから指定された部屋の鍵を取り出し、部屋を開けた。

思ったより広かった。
1DKといったところか。

インテリアは黄色と青で統一されていて、カーテン、ベッド、ソファー、テーブル、テレビ、洗濯機、冷蔵庫、掃除機、鍋、フライパン…

生活するのに必要なものは、殆ど揃っていた。

灰皿や、目覚まし時計までおいてあった。



紀子は、一人の部屋を持てたことが嬉しかった。



持ってきた雑巾で、掃除を始めた。


一応クリーニングが入っていたが、

ここで6日もお世話になるんだと思うとなんとなく気持ち悪かったので

雑巾がけをしてお香をたいた。