人魚姫は籠の中で。




「狼さん…ありがとう」



そう言い狼さんに抱きつくと、ペロペロと私の顔を舐める。


どうやら、緊張の糸が解け涙を流していたらしい。



それを舐めとる狼さん。



「……ふふ、くすぐったいわ」



「お前が泣くからだろ…セナ」



驚いて、振り向く。



ああ、久しぶりに聞く声。

やはり、いつ見ても美しい彼は、少し不機嫌そうな表情をしていた…けれど魅惑的に笑っていた。