「…ああ。もう我慢できない」 そう耳許で囁いた男の言葉に、ああ、もうダメだと思った。 次に来るであろう、私の首筋に埋められる牙の痛みに身構えギュッと目を堅く瞑った。 「…ぅっ」 痛みがこないことを不思議に思った瞬間、相手から呻き声が聞こえた。 「……え?あなたは、」 私が恐る恐る目を開くと、私の視界は黒で埋められていた。 このフサフサの毛並みは、あの狼さん?