「あー!…ヴィアン様!どこに行かれるのですか!」 「いい香りがする。そこへ向かうだけだ」 「…空腹ですか?それなら、先程部屋へ向かわせたのですが…」 「……あれほど不味い女は初めてだ」 本当に不味い女だった。 着飾り、表面だけは美しかったが… 媚びを売るだけ売って、王妃の座でも狙っているのだろう。 空腹に耐えられず、吸血したが…口直しがしたい、と咄嗟に思わせる味だった。